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「光吉猛修 35周年記念ディナーショー in セガ本社」レポート。日本一歌のうまいサラリーマンが昼夜にわたって全22曲を披露(独占インタビューも)
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印刷2025/12/27 13:00

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「光吉猛修 35周年記念ディナーショー in セガ本社」レポート。日本一歌のうまいサラリーマンが昼夜にわたって全22曲を披露(独占インタビューも)

 セガは,2025年12月14日,セガ大崎本社内の社員食堂・JOURNEY'S CANTEENにて「光吉猛修 35周年記念ディナーショー in セガ本社」を開催した。

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 これは,同社所属のサウンドクリエイターである光吉猛修氏の,セガ所属35周年を記念して開催されたもの。
 「デイトナUSA」「シェンムー 第一章 横須賀」などのサウンドを手掛け,同時に“日本一歌のうまいサラリーマン”とすら呼ばれる同氏がホストとなっての,歌謡&トークショーという催しだ。
 昼夜二部に渡っての開催で,夜の部ではビュッフェ形式で飲食が提供されるなど,文字どおりのディナーショーとなった。

 実は光吉氏による一般向けディナーショーは,2020年に実施予定だったが,コロナ禍とあって中止された経緯がある(※セガ社員向けのプレショーは2019年に実施された)。
 そのリベンジともいえる待望の開催とあって,会場は期待に胸を膨らませた来場者で埋め尽くされた。

 YouTube配信番組「SEGA SOUND STREET」で共演する,セガ サウンド開発部の幡谷尚史氏きむらあかね氏に加え,豪華ゲストの参加もあって大いに盛り上がったその模様をレポートする。

セガ サウンド開発部の幡谷尚史氏,光吉猛修氏,きむらあかね氏(左から)。ショーの運営から出演までを受け持ち,来場者をもてなしたすてきなトリオ
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アゲアゲなミニライブと

豪華ゲストを交えたトークで盛り上がった第一部


 15:00に開演した第一部で,ステージに姿を見せたのは,光吉氏,きむら氏,そして幡谷氏の3名。YouTube配信番組「SEGA SOUND STREET」でおなじみの面々の登場に,来場者からは喜びの声が上がった。

 まずは光吉氏がボーカル,きむら氏がギター,幡谷氏がベースという豪華な布陣で「きみのためなら死ねる[完全版]」を披露。観客も「ラヴィ!」の合いの手を叫び,大盛り上がりとなった。

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 「セガで歌曲といえばこの曲は外せない」,とマイクを握ったきむら氏が披露したのは,「檄!帝国華撃団」。これ以後の曲はすべてアコースティックギターにカホン+エレキベースという編成で演奏され,優しくも力強さに溢れた伴奏が特別感を醸し出していた。

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 続いてのコーナーは「セガ光吉猛修35年史」。セガ入社から現在までの光吉氏の35年の歴史を,貴重な写真とともに一気に振り返るコーナーだ。
 光吉氏のひとことコメントを添えて,なんと50枚近くもの写真が披露されたが,ここではその中から何枚かをピックアップしてお届けする。

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1992年の社員証。入社から2年間伸ばし続けた頭髪
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2000年。ゲーム関連イベントでのライブは光吉氏の歴史でもある
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2003年に新宿駅前で行われた「きみのためなら死ねる」発売記念ライブ
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海外出張も多い光吉氏。現地のクリエイターたちから歓迎されることも多いとか。写真は2007年ごろ
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2009年発売2ndソロアルバムのジャケット(乳首は自主規制)。実はセガ3号館の給湯室で撮影されたそう
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2014年開催のゲーム音楽フェス「沖縄ゲームタクト」に参加したときのひとコマ。実に沖縄だ
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2015年ニコニコ動画で配信された「おとや」の収録風景。褌姿を披露
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2020年の無観客ディナーショー。フェイスガードの上からカレーを食べる。アーカイブはこちら
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2022年にX上の配信で始まった「SEGA SOUND STREET」。現在はYouTubeで視聴できる

 そして2026年には,セガサミーホールディングスが経営に参画している韓国の統合型リゾート「パラダイスシティ」,そして2027年にはエンタメの聖地ラスベガスでの開催という野望を口にした光吉氏。具体的な計画があるわけではないそうだが,「口にすれば実現する“言霊”ってあると思うんですよね」とコーナーを締めくくった。

 きむら氏がギターを奏でながら「スマイリーを探して」を披露……とくれば,続いてステージに姿を見せたのは,作詞作曲者であるササキトモコさんだ。

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 1992年入社と光吉氏の2年後輩なトモコさんだけに,セガ社内での接点は多く,当時の貴重なエピソードの数々が語られた。
 また「言葉がハマりやすいから作曲と作詞は同時に行う」「自分の中にある物語をこういうメロディで出したら一番伝わるかなと思いながら作っている」と,トモコさん流のクリエイティビティの一端を明かしていった。

ゲストとしてトークに加わったササキトモコさん(左から2番目)。セガ在籍時代はサウンドマンとして数々の名曲を送り出したほか,「ルーマニア #203」の原案者としても活動。現在は姉妹ユニット「東京ハイジ」をメインに活躍中
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 2人の関係性を探るパネルトークでは,トモコさんのことを「まぐろちゃん」と呼ぶ理由や,大鳥居時代の食事情などを説明。若かりし時代ならではの破天荒なエピソードの数々に,会場は笑いに包まれた。

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社内報に掲載された新入社員時代のトモコさん。好きな言葉として,丸い語感が気に入っている「まぐろ」と書いたことから,それが愛称になったのだとか
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かつて大鳥居にあったセガ社員御用達の居酒屋で撮られた一枚。この写真の別バージョンは,トモコさんが机の中に魔除けとしてずっと所持していたとのこと

 ほかにも学生時代のトモコさんが,坂本龍一さんのラジオ番組「サウンドストリート」に投稿したデモテープ曲が披露されるなど,とっておきのエピソードが語られた。
 さらに,光吉氏が歌うアドリブソングが大好きだというトモコさんが,「私が歌詞を書くので光吉さんが歌ってください」とお願いする一幕には,場内からも大きな拍手が沸き起こった。

 トークで一息ついたあとは,この日は生ギターの伴奏でちょっとラテンの香りもした「Conquista Ciela」,光吉氏の希望によるチョイス「Sonic Heroes」と続く。2008年のソニックバースデーに披露されたこの曲が,ボーカル光吉氏,ギターきむら氏によるセッションで場内に響き渡った。

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「Conquista Ciela」の曲中にテンションが上がりすぎた光吉氏が客席を回りながら握手をする一幕も。まさにディナーショー
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「Sonic Heroes」を演奏中。元々はセガ・瀬上純氏と光吉氏のセッションで2008年のソニックバースデーに披露されたアレンジ版

 来場者から光吉氏への質問コーナーを挟み,一部最後の曲として歌われたのはTVアニメ「バーチャファイター」後期の主題歌「愛がたりないぜ」。鉄板の盛り上がり曲に,来場者もウェーブを返してノリノリのままにエンディングを迎えた。

数々のゲームショーで閉幕間際に歌われてきた熱血ソング。会場に流れる「蛍の光に負けるな」が合言葉だったなんて裏話も
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■第一部セットリスト

きみのためなら死ねる[完全版] / きみのためなら死ねる
檄!帝国華撃団 / サクラ大戦
スマイリーを探して / セラニポージ
Conquista Ciela / 電脳戦機バーチャロン フォース
Sonic Heroes / ソニックヒーローズ
愛がたりないぜ / TVアニメ バーチャファイター


光吉猛修氏インタビュー

“逆張り人生”と語るセガ歴35周年を振り返る


 ここでは,昼夜で行われたショーの合間に収録した,光吉氏へのインタビューをお届けする。トーク中にこぼれた“逆張り人生”というキーワードをもとに,35年間というクリエイター半生を振り返ってもらった。

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4Gamer:
 第一部でのトーク中にセガでのご自身は“逆張り人生”という話題が出てましたが,もう少し詳しくお聞かせいただけますか。

光吉猛修氏(以下,光吉氏):
 大まかには人とは違ったことをしてきたという意味で,わかりやすいのは「デイトナUSA」でゲームに歌わせたことですね。ほかにも「WORLD CLUB Champion Football」でアーケードゲームで初めて生オーケストラ収録を行ったことですとか。そもそもからして,いちサラリーマンが歌を歌ってCDを出すというのからしてなかなかできない。

4Gamer:
 自分は「ゲームミュージックフェスティバル'91」でS.S.T.BANDの新メンバー・R三郎丸として登場したのを見ているのですが,ロン毛を振り乱しながらキーボードを弾く姿に度肝を抜かれました。

光吉氏:
 若気の至りですけどね(笑)。

4Gamer:
 そういった意味では入社した当初,あるいはそれ以前から逆張りというか“人とは違ったことをやる”という意識はあったのでしょうか。

光吉氏:
 そうですね。でもですよ,そもそもからしてセガ(・エンタープライゼス)という会社がほかではやらないことをやる“逆張り体質”じゃないですか。体感ゲームしかり,バーチャファイターしかり……それにトイレッツしかり。

4Gamer:
 たしかに“知的創造で社会に貢献”ですね(笑)

光吉氏:
 「10年早いんだよ!」と言われることもあるように,そういうセガが僕も好きですし,その中で自分がサウンド担当として関わる中で“創造は生命(いのち)”のファクターのひとつが逆張りになると思っていて,そうすることでお客様が「セガまたやってるよ!」みたいな驚きを与えられる。今回のディナーショーもそうですよね。お客様がご飯を食べている前でサラリーマンが歌を歌うっていうのはゲーム業界ではあまりいないと思うので,そういった隙間というかニッチなところが35年セガで生きてきて手に入れた,僕の武器なのかなという。

会場では光吉氏の歌や楽曲を収録したCDの販売も。購入者にはサイン入りブロマイドがプレゼントされた
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4Gamer:
 そういう考え方になったのは,ゲーム業界に入ってからなのでしょうか?

光吉氏:
 これがおもしろくて,遺伝的には私の母から受け継いだものだと思ってるんです。母は“主婦が考案した便利グッズ”みたいなのを考えるのが好きな,ちょっと飛んでる人だったんですよ。でも振り返ると,その中に時代を先取りしているようなモノがあったりして,そういう部分の影響はあったのかなと思います。でも,自分でそう意識するようになってたのは,セガに入社してからですね。

4Gamer:
 明確なきっかけってあったのでしょうか?

光吉氏:
 明確にコレというよりは,必要に迫られて編み出していった感じでして。デイトナでいえば「『リッジレーサー』を超えろ」という命題を振られて,悩んだ末に歌わせてみたら大ハマリして。そこでこういう方法論もありなんだと思い,それを突き詰めていったというところですね。ある意味ラッキーだった(笑)。

4Gamer:
 一発だけならともかく,数々のエポックメイキングをなさったのはラッキーだけではないかと。そうして世に送り出されたものの反響は感じられていましたか?

光吉氏:
 もうガッツポーズですよね。デイトナのロケーションテストを行ったとき,ギターを持った少年が流れてきた曲を聞いて「あ,これ○○のバンドじゃん」と。要は人が歌ってる声に聞こえたんだと。1993年当時はストリーム再生が一般的でなく,サンプリングした音声を切り貼りしてあたかも生歌かのようにした曲に,そういう反応があったのがすごく嬉しかったです。

4Gamer:
 入社直後から数々のライブパフォーマンスを行って来た光吉さんですが,一方でサウンドクリエイターとしての顔もあります。どちらが素のご自身に近いのでしょう。

光吉氏:
 パフォーマーとしての顔のほうが本来の自分に近いと思います。高校から大学卒業までクラシック音楽を習ったり,大学時代に軽音楽部に所属したりと人前に立っての表現は好きでした。子供の頃はドリフターズの志村けんさんの弟子になりたかったり巨人軍の4番バッターになりたかったりと,そもそも目立ちたい体質だったかもしれません。
 それが今ではYouTubeのMCまでやらせていただいている。誤解を恐れずに言うと,僕自身ゲームのサウンドを作りたかったわけではなくて,S,S,T, BANDに入りたくてセガに入社した。そこからいろいろ苦労しましたけど,自分が作ったゲームのサウンドが国内外へと広まったし,海外出張にいったら「あの曲の!」と通じる。そういった面白みはずっとあるからこそ続いてるのかなって。

「シェンムー」開発時の様子。鈴木裕氏に演技指導を受けている場面
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4Gamer:
 ひとつに絞るのは難しいかもしれませんが,35年間続けてきた中で,一番思い入れのあるタイトルはなんでしょう。

光吉氏:
 「シェンムー」ですね,良くも悪くも。……良くも悪くも(苦笑)。開発が終わってしばらくまでは,もう本当にしんどかったです。でも年を追うごとに,(鈴木)裕さんの存在も含めて,そこに僕がサウンドディレクターとして関われたのってすごくラッキーだと思うようになったんです。最近年齢のせいか記憶が薄れがちになったので,辛い記憶が消えつつあるのかもしれませんけど(笑)。
 とはいえ,サウンドディレクターをやったりメインテーマを作ったりした経験を話すと,たくさんの方々,特に海外の開発関係者は喜んでくれるわけなんですよ。だから,やっていた仕事としてはとても有意義だったし,皆さんの記憶に残る仕事をやったということにはすごく価値があったと思いますね。

4Gamer:
 これから先のお話も聞かせてください。現在の光吉さんがもっとも情熱を注いでいる仕事ってなんでしょう。

光吉氏:
 うーん,実はいまそんなにプロジェクトは抱えていないんですよ。というのも,僕はあと1年弱で定年を迎えるんで。僕だけじゃなく,80〜90年代に入社してきた人たちがごそっと定年を迎える。僕,勝手に2030年問題って言ってるんですけど(笑)。
 じゃあなにをやってるのかっていうと,SNS周りですよね。XやYouTubeを通してセガサウンドをどう見せていくかということを,きむらさんと一緒にやっています。とはいえ僕に残された時間は少ないので,そこの礎というんですかね。今回のディナーショーできむらさんに歌ってもらってるのもそういう意味があってのことで。幸いなことに“日本一歌のうまいサラリーマン”なんて肩書をいただいてますけど,じゃあその次は? と考えたうえでのひとつの働きかけだったりします。

4Gamer:
 この先何年かあとに向けての種をまいている。

光吉氏:
 おっしゃるとおりです。仕事のノウハウというよりは,自分がやってきた役割の精神的なものを引き継いでもらうための。実は2025年4月からサウンド開発部のマネージャーになってしまったんですよ。過去の出来事からずっと断っていたんですけど,定年前の最後のご奉仕というか。相変わらずプレイングマネージャーではあるのですが,周囲の助けもあってやらせてもらってます。

4Gamer:
 逆に,光吉さん個人が興味のあることは?

光吉氏:
 インディーゲームに興味があります。ひとくちにインディーといってもさまざまな意味がありますが,僕の中だと“面白さ優先”という意味。もともとセガってインディー気質なところがあって,すごく親和性が高いと思ってます。自分としては,サウンドの立場でインディーとセガの結びつきを作って,新しいセガスピリッツみたいなものを後世に残していけたらいいなと思っています。
 構想としては,曲からイメージしたゲームを作るってのがあって,まずはその第一歩としてセガサウンドストリートでこれまで披露してきた曲でオリジナル・サウンドトラックを作ってみようかなと思っています。それこそ番組エンディングテーマの“地球の風シミュレーター”は,ゲームと関係なく弊社サウンドスタッフが作った曲なので。そうしたエンターテインメントの広げ方は,35年間を逆張りしてきた自分らしい夢なのかなって。

4Gamer:
 ステキだと思います! では最後に,長らく務めてきたセガという会社に対しての想いをお聞かせいただけましたら。

光吉氏:
 やはりセガには“先を行ってる”会社であってほしいです。セガの社是である“創造は生命(いのち)”って言葉が僕は大好きで,定年で僕らがいなくなってもそういうセガスピリッツを忘れずに,新しくてみんなが驚くものを作れる会社であってほしいと思います。

歴代のステージ衣装が展示された。着物からロックスターから褌姿までインパクト抜群でエンタメ精神にあふれる
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タキシード姿の光吉氏が弦楽カルテットを率いて歌う

歌と食事のひとときとなった第ニ部


 19:00からの第二部は,食事を味わいながら光吉氏の歌が楽しめるという,文字どおりのディナーショーとして開催。
 テーブルの上に置かれたキャンドルや暗めに落とされた客席の照明,そして窓の外のシティビューと,最高のシチュエーションの中で公演は進められていった。

ビュッフェ形式で提供された食事。シェフが切り分けるローストビーフまであり豪華
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 第二部の幕開けを彩ったのは光吉氏を代表する曲のひとつ「Let's Go Away」。しかもピアノの弾き語りというディナーショーの始まりにふさわしい一曲。そして盛り上がりもそのままに,アゲアゲなチューン「サンバディ!」を披露,さらにきむら氏がセラニポージの名曲「僕のマシュ…」を熱唱して,一気に会場内の温度を上昇させた。

一部とは打って変わってフォーマルなタキシード姿で登場した光吉氏。演奏後に手がつりそうになるほど熱の入った弾き語りで「Let's Go Away」を披露
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シックなドレスに身を包んだきむら氏が「僕のマシュ…」を披露。その間に光吉氏と幡谷氏が観客に特製マシュマロを配る一幕も。一部はサイン入り!
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 来場者との乾杯を挟んで演奏されたのは,波音が聞こえる「LAST WAVE[H.] Vocal Ver」,思わず行進したくなる「THIS IS MY HAPPINESS」,歌い上げる「A Lullaby」の3曲。しっとり→ウキウキ→エモエモなコンボが,オーディエンスの感情をさらに高めていった。

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来場者といっしょに「かんばーい!」
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見事なハーモニーを聴かせた光吉氏ときむら氏。“歌うセガサウンドスタッフ”の血筋は受け継がれていく

 サッカー選手の心情を歌った「White Sign」,きむら氏とのデュエットで艷やかに「ばかみたい」を聴かせると,弦楽カルテットがステージに登場。この編成で歌いたかった曲としてきむら氏は「ソニックフロンティア」のエンディング曲「Dear Father」を披露。生音が奏でるやさしさと,父への想いを込めた歌詞が絡まり合い,会場内は温かな雰囲気に包まれた。

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「ばかみたい」をしっとりとデュエットで歌い上げる
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弦楽隊の伴奏を加えて披露された「Dear Father」

 いよいよライブは終盤となり,ここからはエンディングに向けて怒涛のエモーショナル楽曲が続く。
 ガンシューティング「レッツゴージャングル」のエンディングテーマ「From Ben」,きむら氏との美しいハーモニーが胸を打つ「EVE -Piano Version-」,再び弦楽器隊が加わっての「永遠のEncore」,そして「I Just Smile」
 いずれも涙を誘う名曲とあって,目元を拭うオーディエンスの姿もあった。

椅子に腰掛けながら「From Ben」を歌い上げる光吉氏
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 ラス前曲となったのは,「SEGA SOUND STREET」のリスナーにはおなじみのエンディングテーマ「地球の風シミュレーター」

 この曲は元々,光吉氏の30周年記念アルバムに収録予定であったがコロナ禍で中止に。長らく披露の機会がなく,それがYouTube番組で日の目を見たという経緯を持つだけに,今回のショーを締めくくるのにベストマッチな選曲であった。

原曲はピアノ伴奏だが,この日は弦楽カルテット&ピアノの生演奏によるスペシャルアレンジ。しかもフルコーラスが披露されるという貴重すぎる機会となった
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 いよいよショーはクライマックスを迎え,大トリで披露されたのは「Burning Hearts 〜炎のANGEL〜」! 数々のイベントで歌われてきた鉄板の盛り上がり曲に,オーディエンスも歓喜の合いの手を響かせていた。

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光吉氏の音頭でオーディエンスと一緒にウェーブを巻き起こし盛り上がりは最高潮に!
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左足を高く蹴り上げる光吉キックも披露!

 最後の曲の直後からアンコールの声が場内に響くと,それを耳にした出演者たちは踵を返すようにステージに再登場。アンコールの1曲に行くと見せかけて,光吉氏の誕生日(12月25日)をひと足早く祝うケーキが運び込まれるサプライズが! 出演者と来場者から送られる祝福の声に,光吉氏はうれしそうに目を細めていた。

光吉氏に贈られたバースデーケーキ。写真のチョイスまでサプライズ(笑)
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 そしていよいよ本当のラスト。アンコール曲として奏でられたのは,Wii版「NiGHTS 〜星降る夜の物語〜」のエンディングを飾る超名曲「Dreams Dreams:Sweet Snow」。温かな気持ちにさせる演奏は,まるでこのディナーショーが“夢の中”のひとときであったかのような気持ちにさせた。

オーディエンスが手にしたスマホの灯りが揺れる中での「Dreams Dramas」は幻想的なものとなった
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 こうして大盛況の中,幕を閉じた今回のディナーショー。光吉氏の35周年であることはもちろん,アーケードからコンシューマ,体感ゲームから音楽ゲームまでと脈々と連なるセガサウンドの歴史と厚みを感じさせる一日でもあった。

■第ニ部セットリスト
Let's Go Away - Piano version / デイトナUSA
サンバディ! / maimaiシリーズ
僕のマシュ… / セラニポージ
LAST WAVE [H.]Vocal Ver./ アウトラン
THIS IS MY HAPPINESS / スペースチャンネル5 パート2
A Lullaby / クロックワークナイト 〜トンガラドペパルーチョの大冒険〜
White Sign / WCCF(WORLD CLUB Champion Football)
ばかみたい / 龍が如くシリーズ
Dear Father / ソニックフロンティア
From Ben / レッツゴージャングル
EVE -Piano Version- / セラニポージ
永遠のencore / PHANTASY STAR ONLINE 2
I Just Smile / バーニングレンジャー
地球の風シミュレーター / ?島依麻奈
Burning Hearts 〜炎のANGEL〜 / バーニングレンジャー

アンコール:
Dreams Dramas:Sweet Snow(NiGHTS 〜星降る夜の物語〜)

 なお,12月19日20:00に配信された「SEGA SOUND STREET」で,このディナーショーの話題が取り上げられている。興味のある人は,ぜひ視聴しよう。


 ちなみに光吉氏がディナーショーで歌った曲のうちいくつかは,YouTubeにあるSEGA SOUND TEAM CHANNELの「よりぬきみつよしくん」で聞けるので検索してみてほしい。

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