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インクを撃ち合い陣取りするオートチェス風シューター「ムーンフェイズプラン」。それと1年半前に韓国で見た「火环」があった[CJ2025]
※久々に説明するが,中国ではApp StoreとGoogle Playではなく,大手各社のアプリプラットフォームがしのぎを削りあっている
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ブース内で見つけたのは,YOKAVERSEのオートチェス風シューター「ムーンフェイズプラン」(代号:月相计划)と,DIMCROONの2D横スクロールアクションRPG「火环」(代号:Project Prometheus)だ。
前者は,インクで撃ち合うシューターという点で,大半の人がイカ的なものを想起するだろうが,独自の組み合わせがオリジナリティを生んでいた。後者は,1年半前の韓国のゲームイベント「G-STAR 2023」で映像を見たが,久しぶりの再開に思わず触れてみた次第である。
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「ムーンフェイズプラン」
「ムーンフェイズプラン」は,インクを撃ち合って陣取りするマルチプレイ型のオートチェス風シューターだ。ざっくり説明すると。
※オートチェスとは(大半が)8プレイヤーによるラウンド制の個人戦バトルロイヤルゲームを指す。基本的に戦闘は自動で行われ,それ以外の編成とやりくりを操作するジャンル。最近はとんと聞かなくなったが
・最初にキャラクターを選ぶ
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・オートチェス風に8人マッチング
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・自分以外の7人と,1vs.1のラウンドバトル
・シューターバトルは手動操作で行う
・攻撃方法はヴァンサバ系のオート攻撃
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・勝てばHP維持。負ければHP減少
・戦果でアイテム取得などを行う
・さらに報酬がローグライク的でランダム
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・最後までHPを残した人が勝利
・モードは「10分短期戦」と「30分長期戦」
・仲間を組むチームバトルもある
といったイメージだ。いくつか固有名詞をはさんでいて,前提を知らないと理解しづらいかもしれないが,遊び方自体はシンプルである。
まずは,オートチェスのバトルに手動操作を組み込んでいるところがおもしろい。また,バトルフィールドでは対戦相手のほかに,戦闘を有利にするモンスターもいるが,最大の特徴は“陣取り”にある。
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フィールド内の地面は,攻撃することで「自分の色」に染められる。モンスターは倒すことで“ボム的に破裂”し,さらに色を広げてくれる。そして対戦相手との勝敗は「フィールド内の色の支配率」で決まる。
対戦相手を直接攻撃して支配率を高めるもよし。相手を無視して地面の色塗りに精を出すもよし。しかし,どんなビルドになるのかはローグライクチックな報酬次第。そのときそのときの最善と,最終的に勝利するための最適解を探るのが,このゲームの醍醐味と言えよう。
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現地ではYOKAVERSEのスタッフに話を聞いた。インクシューターを採用した理由は,このゲームで目指すことを表現するのにピッタリだったからだという。例えば色を血液で表現しようとなると,自分も相手も赤一色で困ることから,より直感的に分かる色分けを選んだそうだ。
本作は現在,ゲームバランスを整えている最中で,9月をめどにプレイテストを実施するのが目標だという。
ゲームとしてはある意味,さまざまな人気どころのおいしい要素をてんこ盛りにして組み合わせていると言える。だがこうやって魔改造後にキレイな着地点を発見しただけでも,評価に値すると思えた。
「火环」
「火环」は以前,Project Prometheus(プロジェクト プロメテウス)の名で呼ばれていた,2D横スクロールアクションRPGだ。
プレイヤーは光と影が対立する世界で「火の管理人」となり,英雄たちを率いて“青き炎”を探しにいく。ピクセルデザインのカワイさと,美麗な2Dイラストアートのカッコよさで仕立てられた1作だ。
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[G-STAR 2023]「Project Prometheus」“火の管理人”が光と影の対立する世界を旅する,2D横スクロールアクションRPG
![[G-STAR 2023]「Project Prometheus」“火の管理人”が光と影の対立する世界を旅する,2D横スクロールアクションRPG](/games/999/G999904/20231118011/TN/021.jpg)
G-STAR 2023に,HAOPLAYが配信,DIMCROONが開発する2D横スクロールアクションRPG「Project Prometheus(プロジェクト プロメテウス)」の映像が出展された。光と影が対立する世界で,“火の管理人”の旅がはじまる。
上記のG-STAR 2023時は,現地で「会場外に映像出展」「会場内にポップ2種を展示」だけで,スタッフも一生忙しい有り様。試遊やコメント取りもかなわず,はや1年半。久しぶりの再開に驚いて飛びつき,ブーススタッフに声をかけたところ,「開発の人は今いません」。
今回も縁がなかったが,試遊はできたので,まあよし。
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遊べたのはステージバトルのみの簡素な内容で,2D横スクロールアクションを試すのみとなった。主な操作は移動,通常攻撃,強攻撃,スキル,必殺技,回避,時限強化システム,それとメンバー切り替えだ。
回避後は追加攻撃を発動できる。メンバー切り替えも,敵の体勢を崩したあとに出すと追撃,被撃中だとコンボカットになるなど,ある種のチーム制対戦格闘ゲームのようなシステムが搭載されている。
さらに戦闘中は敵への攻撃を止めず,被撃を受けず,戦闘評価を高めるほどにスキル関連(?)のチャージ速度が速くなるようだった。こちらは3Dスタイリッシュアクションで見られる要素と言えよう。
総じて,ただ動いて殴って避けてだけではなく,バトル体験をよりおもしろくするための工夫が随所に見られる仕立てだ。
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本作はハチャメチャに数字が飛び交うタイプのゲームで,キャラクターたちのリアクションも愉快な挙動があったりする。
その反面,2Dアートが静かで退廃的なたたずまいを醸していて,この絶妙な対比が実に印象的だ。それだけに長らく覚えていた。
なお,キャラクターの動作は移動も攻撃も軽快とは言いづらかった。しかし,低頭身の美少女がぽてぽてと歩く姿と,そこまで広くないエリアの比率を加味すると,全体的にしっくりくるバランスに思えた。
中国では2022年と2024年にプレイテストが行われていた(はず)。事前予約の数字も,各ストアでなかなかの値になっている。
たぶん今後はふがいないことに,気付かぬうちにリリースされていたりしそうだが,将来的に世に出ていればなによりだ。
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これらが,好游快爆ブースで見つけた選りすぐりである。ただし,出展タイトル数が多すぎて,ヘタすれば体験するのに半日くらいかかりそうな場所だったので,完璧に掘り出せたとは言いがたい。
ゲーマー人生ではときおり,こうしたゲームショウでたまたま出会ったタイトルを,なんとなしに覚えていて,不思議な思い出が形成されることがある。異国で見かけたこの2本も,もしかしたらそのうち,なぜか忘れられない思い出に変わっていたりするのかもしれない。
みんな,ゲームショウでのゲームとの出会いは楽しいよ! なんて感想で締めさせていただくということで,今日のところはよしなに。
4Gamer「ChinaJoy 2025」記事一覧
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