2025年8月28日から31日まで,日本玩具協会が主催する
「東京おもちゃショー2025」が東京ビッグサイトで開催されている。国内最大規模のおもちゃの見本市には,国内外の211社が約3万5000点の新商品を出展している。
8月30日と31日は一般公開日となり,入場には2000円(税込)のチケットの購入が必要(中学生以下は無料)。
出展されているおもちゃは,昔ながらのものからデジタルな仕掛けを持つものまで多種多様。子どもだけでなく,子どもの気持ちを忘れていない人も楽しめるイベントだろう。
また,近年のおもちゃ市場は「キダルト」(子どものような趣味や遊び心を持ち続ける大人)層が成長を支えている側面もあり,大人が普通に欲しくなるアイテムの割合も高い。
本稿では,会場を歩いてみて気になったアイテムをいくつか紹介しよう。
入口に実車が展示されていたタカラトミーのブースはインパクトが大きかった。NISSAN FAIRLADY Z NISMOやToyota GR Supra GT4 EVO,MITSUBISI DELICA MINIなどが並び,必要以上に写真を撮りまくってしまった。
ミニカーの代名詞ともいえる「トミカ」ブランド,ここにあり。大人の中に眠る子ども心を巧みに刺激してくるというか,なかなか心憎い演出だ。
数十台のトミカが一挙に滑走してくる場面に遭遇。思わずテンションが上がってしまうのは,幼少期の記憶の名残りか
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タカラトミーブースでは,トランスフォーマーの現行シリーズ
「ワイルドキング」の展示も衝撃的だった。
同作の設定は,最大の敵同士であるはずのオプティマス・プライム(コンボイのほうがしっくりくるかもしれない)とメガトロンが友人。だが,メガトロンはさらなる力を求めて惑星エレメントロスに渡り,そこで消息を絶ってしまう。
君たち友人だったっけ? と思ったら,昨年公開の映画「トランスフォーマー/ONE」の設定らしい
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友を探しにエレメントロスにやって来たオプティマス・プライムの前に,メガトロンは強大な敵として立ちはだかる! なんと恐竜型の原住ロボたちと「ワイルドドッキング」して変貌していたのだ。メインターゲットである子どもだけでなく,お母さん世代もグッときそう。いろいろな意味ですごい。
友を探しにきたコンボイも,結局は猛獣型とワイルドドッキング!
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メガトロンはドッキング前後のバランスが秀逸。素直に「かっこいいじゃないか」
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セガのブースでは,ソニック&フレンズ×サンリオキャラクターズのコラボアイテムの実物が展示されている。世界的にも知られる,屈指の人気キャラ同士の共演だ。この取り組みをきっかけに,日本でも新たな層にソニックたちの魅力をアピールできるかもしれない。
ソニック×ハローキティは主役同士の組み合わせに納得。シャドウ×ハンギョドンは意外すぎる
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そして,「ぬい活」ブームを感じさせるアイテムがこんなところにも。
「アクぬい」という名称から,「アクリル製のぬい? ……縫えるの?」と思いきや,自立させることが難しいぬいを立たせるためのスタンド付きのシリーズだった。先日発表された日本おもちゃ大賞2025のバラエティ部門では
「アクぬい サンリオキャラクターズ」が優秀賞を受賞している。
日本おもちゃ大賞の優秀賞を受賞した商品を2つ紹介しよう。
まずは,ビバリーから発売中の
「モジキューブ」。ルービックキューブ状の構造に描かれた模様を組み合わせて,自分なりに文字や絵を描く商品だ。作例写真はポップで楽しそうだが,玄人向けかつ奥深い遊びの雰囲気も漂う。
もう一つは,「CIAOちゅ〜る」のCMソングが流れていたイワヤのブースに展示されている
「ちゅ〜るちょうだい! ぺろりーにゃ」。ちゅ〜る型のスティックを口元に近づけると,CMソングと共に猫が舌を出してぺろぺろする(笑)。
頭をなでてあげたり,お尻のあたりをトントンしたりするとゴロゴロ鳴く仕掛けもあり,猫を飼えない家でもあのCMのような体験ができるわけだ。
前足をじたばたしながら,舌でちゅ〜るを舐める動きがシュールだがカワイイ
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東京おもちゃショーでは,おしゃれなコンポーネントのアナログゲームも展示されている。
オインクゲームスのブースには,
「海底探検 深版」をはじめとする手軽に遊べるゲームが“遊び方”と一緒に並んでいた。
この手のゲームは,コミュニケーションを深めるきっかけになるのも魅力だ。友達同士はもちろん,これから仲良くなりたいグループで遊ぶにもちょうどいい。
ittenブースのマインドベースボールゲーム
「ヒット&アウト」も,シンプルでありながら心理戦を楽しめる。守備側が4つのベースのどこかにヒットを隠し,攻撃側はその位置を当てるというゲームだ。
守備側の心理としては,3塁やホームにはヒットを隠したくないところだが(当てられたら,それぞれ三塁打,本塁打になってしまう),かといって1塁や2塁ばかりでは5割の確率で当てられてしまう。裏をかくと見せてそのまた裏をかく,相手の思考のクセを読み合うことになるのだ。ざわ……ざわ……。
「トーキョーハイウェイ」(右)は相手より先に,すべての車コマを置き終えたら勝利となる
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老舗ホビージャパンのブースで勇壮な騎士や赤軍将校の描かれた美しい箱絵を眺めていると,不思議と落ち着いた気分になってくる。こちらこそ心の故郷……なんて人も多いだろう。
そんなノスタルジックな気分で発見したのが,つくるんですブースに展示されていた3Dウッドパズルの数々。切れ込みの入った合板からパーツを外し,自分で組み立て,飾って楽しめるというシリーズだ。
いわゆるシカゴタイプライター風の
「遊べるサブマシンガン」や,AKっぽい
「遊べるライフル」は輪ゴムを使って弾を撃ちだせる。装弾数も10〜12発,そこそこ連射も可能である。
サイズ感も実物に近く,装飾も美しい
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さらに,現代アニメの枠組みの中で面白い表現を探っていた「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」の関連アイテムや,「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」の超合金など,すっかり大人の筆者が思わず足を止めてしまう展示が盛りだくさんだった。
バンダイ/BANDAI SPIRITSのブースの参考展示,ヒゲマンことシャリア・ブル専用モビルアーマーのキケロガ(左)。近衛騎士っぷりが素晴らしかった,エグザべ専用ギャン(右)は発売中
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あちこち発光していた「超合金 TIME TRAIN」。台座付き全長560mm,車体全長480mmという大きさで,若い世代の来場者も写真を撮影していた
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タカラトミーアーツのブースに展示されていた「宇宙なんちゃらこてつくん」。宇宙の香り(正確には船外作業時に宇宙服に付着する物質の香り)をかげるコーナーも
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同じくタカラトミーアーツより「Nuiパン」シリーズ。ぬいとパンとディズニーを合体させたコンセプトが面白い。展示方法も遊び心たっぷり
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カワダのブース。現代アーティスト・沼田侑香氏の協力を得て,30周年を迎えた「パーラービーズ」を展示していた。近づくとドット絵のような表現になっているのが分かる
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パーラービーズのちいかわ,鉄道車両なども。自由の女神像はちょっとゴリっとした造形だ
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アルファ世代(2010年以降生まれの世代)は,物心がつく前からスマートデバイスを使いこなしている。今後,彼らが購買力を得て,「子ども心をくすぐられて」おもちゃを買い求める時代には,目の前の実物を「スマートデバイスで制御する」ようなおもちゃ文化が育まれていくのかもしれない。
当然だが,2025年のおもちゃの潮流は2025年にしか感じられない。子ども心をくすぐる懐かしいアイテムから,大人も熱中できるアナログゲームまで,きっとあなたにぴったりの「おもちゃ」が見つかるはずだ。この週末,東京ビッグサイトに会場に足を運んでみてはいかがだろうか。
30周年,40周年クラスの懐かしい顔ぶれも待っている。シバラク先生はだいぶ毒気が抜けたようだ
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