
業界動向
独占戦略の今後や開発プロセスにおけるAI活用など。欧州最大のゲーム開発者カンファレンス「devcom 2025」,講演者アンケートの結果を公開
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アンケートでは,講演者100名が回答した。
AIを開発プロセスで使うならどの分野か,という設問では,AIの関与は可能な限り少ないほうが良い,という回答が33%でトップとなった。
僅差でコード開発が32%で2位,アート・アニメーション,マーケティング・コミュニケーションはそれぞれ約10%を記録した。
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今後のビジネスモデルの主流については,プレミアム版のゲームと回答したのが27%,有料サブスクが20%,ゲーム内課金をともなう基本プレイ無料が18%となった。
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今後2年間で,プラットフォームの独占戦略がどうなるか,という設問では,残ると答えた人が68%いるが,その多くは,あくまで期間限定の独占(34%),フラグシップタイトルかファーストパーティのタイトルのみ(28%)と回答している。
一方32%は,今後独占戦略自体が減少するという見通しだ。
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クラウドゲーミングに関しては,今後クラウドがプラットフォームの主流となると回答したのが46%で,PCやコンソールが主流のままと回答したのが45%と,意見が2つに分かれた。
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また,ゲーム業界全体の課題については,政治と経済の不確実性,市場の飽和,開発コストの上昇などが回答にあがっている。
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「devcom developer conference」公式サイト
devcom登壇者がトレンド、開発戦略、ビジネスモデルに関する知見を共有
ドイツ ケルン, 2025年8月5日 - 開催まで残り2週間を切ったdevcom developer conference(#ddc2025)は、今年の講演者アンケートから得られた重要なインサイトの公開とともに、新たなプログラムの見どころを発表し、ますます期待を高めています。
2025年版アンケートには100名のdevcom講演者が回答し、現在の業界の意識、課題、トレンドについて次のような洞察を提供しました。
- 回答者の33%が、開発プロセスにおけるAIの関与は可能な限り少ない方がよいと考えている。
- 56名の参加者が、現在開発に最も影響を与えている課題として「経済的および政治的不確実性」を挙げている。
- 46%が、今後数年で「主要プラットフォームホルダー」が「クラウドおよびデジタルサービス」への注力を強めると考えている。
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一方、devcomは基調講演ステージのプログラムに、次の2つの新しいセッションを追加しました。
- 「Letters from Malevelon Creek: 『Helldivers 2』銀河戦争のナラティブデザイン」 Stephen Flowers(Arrowhead Game Studios)
- 「ゲーム業界を駆け抜けた25年」 Minh Le(Ultimo Ratio Games)
- 「160GBのレジスタンス: 『S.T.A.L.K.E.R. 2』ポストモーテム」 Ievgen Grygorovych 、 Mariia Grygorovych(GSC Game Worlds)
- 「拾うという行為: 『Indiana Jones and the Great Circle』における一人称インタラクティビティ」 Zeke Virant(MachineGames)
- 【新規】「Viva La Game Dev: YouTube帝国がいかにしてインディーゲームの金字塔となったか」 人気ゲーム系コメディグループViva La Dirt Leagueのクリエイター陣が登壇
- 【新規】「Mario Kart World: プロに挑め!」 コンテンツクリエイターとプロプレイヤーによるライブ観客参加型チャレンジ
セッションハイライト:devcom基調講演ステージへの新たな追加プログラム
Viva La Game Dev: YouTube帝国がいかにしてインディーゲームの成功へと変わったか
登壇者:Adam King, Alan Morrison, Rowan Bettjeman, Konrad Kunze
モデレーター:Markus Wilding
登録者数700万人以上のコメディ集団がゲーム開発に挑戦したらどうなるのか?
その答えが『Nice Day for Fishing』- Viva La Dirt Leagueのクリエイターたちが手がけた、奇妙でありながらも心温まる釣りシミュレーションです。
本パネルでは、バイラルコンテンツのクリエイターがどのようにしてインディー開発者へと転身したのか、その舞台裏を探ります。彼らが開発の過程で得た知見、そしてユーモア・リスクテイク・混沌としたコラボレーションがゲーム制作にどのような化学反応をもたらした
のかを語ります。
Mario Kart World: プロに挑め!
ホスト:Tjan & DitoMido
出演:プロレーサー Bisalina(Lucina Hum)、WoloU
自分はマリオカートが速いと思っている? その腕をステージで証明しよう!
このライブチャレンジでは、観客がレースに参加可能。2人のプロを連続で打ち破れば、devcom 2026のコンテンツチケットを無料で獲得できます。
熱気あふれる観客、歓声、そして自慢できる栄誉があなたを待っています。
講演者アンケート2025 - 主要結果
毎年実施されるdevcom講演者アンケートは、その年の業界の意識を先取りした貴重なスナップショットを提供します。
- 今後支配的になるビジネスモデルは? デジタル/パッケージ版のプレミアムゲームが最も支持されており(27%)、次いで有料サブスクリプション(20%)、ゲーム内課金を伴うFree-to-Play(18%)も高い評価を得ています。
- Early Access(早期アクセス)はまだ有効か? 96%が有効と回答しており、そのうち37%は広範囲で、59%は特定のジャンルやコミュニティにおいて有効と考えています。
- プラットフォームの独占は衰退傾向 独占戦略が今後も核となると考えるのはわずか6%。多くは限定的(28%)または期間限定の独占(34%)が標準になると予測し、32%は独占自体が減少すると見ています。
- 開発におけるAIの最適な活用領域 最も価値があるとされたのはコード・制作面(32%)とアート・アニメーション(11%)。一方で33%はAIの関与を最小限にしたいと答え、意見が分かれていることがわかります。
- 業界の最大の課題 上位は経済・政治の不確実性(56票)、市場の飽和(53票)、開発コストの上昇(44票)でした。
- 大規模デジタルショーケースは今も有効か? 54%が「はい」と回答し、その理由は「認知度向上」が鍵。一方で21%はコストが利益を上回ると感じ、8%は参加者が多すぎて実際の効果が薄いと答えました。
- 購入形態:デジタル vs パッケージ 59%がデジタルを好み、パッケージ版は主にコレクター層(22%)に支持され、さらに19%は特に理由なくパッケージ版を選んでいます。
- クラウドゲーミングの見通し 意見は分かれており、45%はコンソール/PCが主流を維持すると考え、46%は主要プラットフォームホルダーがクラウドおよびデジタルファーストのサービスにシフトすると予想しています。
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「devcom developer conference」公式サイト
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