
イベント
「LEGO Voyagers」は,2人での協力プレイに焦点をあてつつも過去イチ“レゴらしい”ゲームに[gamescom]
LEGO Voyagersは,今年6月のSummer Game Fest 2025にて開発が発表されたプロジェクトで,正式発売日(9月15日)をアナウンスする最新トレイラーが公開されたばかり。2人プレイのCo-op専用アドベンチャーゲームというところが,大きな注目ポイントといえるだろう。
本作の主人公は,突起であるポッチ(正式名称はスタッド)が1つしかない青と赤のブロックだ。この小さな2つのブロックが,不時着した宇宙船を救うため冒険に出る。宇宙船のパーツは衝突の衝撃で世界中に飛び散ってしまい,プレイヤーは協力してそれらを集めながら,壊れた船の修復を目指していく。
![]() |
グラフィックス面では,レゴブロック特有のプラスチックの質感が見事に再現されている。これは開発元のLight Brick Studioの得意とするところだ。同スタジオは2019年に「LEGO: Builder's Journey」を手がけ,レゴらしさを追求したビジュアル表現で高い評価を得ている。その技術とノウハウが,本作にも存分に活かされているわけだ。
今回のイベントではLEGO Voyagersの序盤をプレイできた。チュートリアルを兼ねたこのパートでは,ゲームの基本システムを体験できる。
![]() |
プレイしていてまず気づいたのは,テキストや音声による説明がほとんどない点だ。PlayStation 5版では,Xボタンでジャンプ,○ボタンで周囲のパーツとつながったり離れたりする。
この2つのアクションを組み合わせて,パズルを解きながら進んでいく。このシンプルな操作性により,言葉に頼らずとも,プレイヤーの試行錯誤によって自然にゲームのルールを理解できる設計になっている。
![]() |
キャラクターの感情表現は最小限に抑えられている。主人公のワンポッチたちは,ジャンプするときに「わっ」と小さく声を上げ,オブジェクトにはまるとクスクスと笑い声を漏らす。
また,キャラクターとブロックがつながったりジャンプしたりするたびに鳴る「ポコ,ポコ」と軽快な効果音が,なかなかに心地良い。
![]() |
ゲームデザインは,前作から大きく進化している。LEGO: Builder's Journeyが1スクリーンごとに完結するパズルゲームだったのに対し,本作は横スクロール型の広大なワールドを探索するプラットフォームアクションとなった。ゲームの世界を構成するブロックも,すべて実在するもので作られているという。
実際のゲームプレイは多彩なアクションで構成されている。茶色い板状ブロックを手に持ち,転がったりジャンプしたりしながらプラットフォームの端まで運んで橋を作る。頂点にポッチがひとつだけ付いたポール状のパーツに飛びついて体重で揺らし,振り子の要領で次のポールへと移動する。レール状のパーツを滑り台のように滑走する。
![]() |
こうしたギミックを,2人のプレイヤーが試行錯誤しながら攻略していくのが本作の醍醐味だ。タイムリミットや落下によるペナルティは設けられていないので,友人同士,兄弟姉妹,親子がワイワイと話し合いながら楽しめる,誰でも気軽に遊べるゲームデザインとなっている。
Light Brick Studioは,デンマークに拠点を置くゲーム開発スタジオである。元々はLEGO: Builder’s Journeyを開発したレゴ・グループ直属の部門だったが,前作発売直後の2020年にLego Venturesの支援を受けて独立した。
クリエイティブ・ディレクターのカーステン・ルンド氏は,長年LEGO系ゲームの開発に携わってきた経歴を持つ。
会場では同氏とLEGO Voyagersを一緒にプレイしながら話を聞いたので,その内容をお伝えしよう。
4Gamer:
LEGO Voyagersは,特定の人気IPとタイアップしていないにも関わらず,レゴブロック本来の魅力をよく引き出していると感じました。
![]() |
そう言っていただけるのはありがたいですね。前作もそうでしたが,他のIPに頼らない分,レゴそのものの面白さをしっかり表現しなければならないと感じています。今作では,前作の開発から学んだことをうまく活用し,そのエッセンスをより良く抽出できたのではと思っています。
4Gamer:
このゲームの開発は,スタジオとして独立されてから始められたのでしょうか?
ルンド氏:
はい。アセットの一部は前作のものを利用していますが,まったく同じものを作りたくはありませんでした。レゴが私たちの強みであることは確かですが,どうすれば創造的な新しさを表現できるかに集中し,より広大な世界を探索する面白さを加えたいと考えたのです。
最初はワンポッチのレゴが動き回るというプロトタイプを作ったのですが,それがそのままゲームの基本コンセプトになりました。そこから,さらに多くのゲーマーの方にアピールできるよう,「友情」や「つながり」をテーマにしたストーリーを加えていきました。
4Gamer:
レゴはひとりで黙々と楽しむもの,というイメージもありますが,2人でのCo-op(協力プレイ)専用にした理由は何でしょうか?
ルンド氏:
やはり,2人でプレイすることでゲームデザインの幅が広がり,いろいろなことができるようになるから,というのが大きいですね。
それはゲームプレイだけでなく,表現の面でも同じです。レゴブロックをつなぎ合わせていくことと,2人のプレイヤーがプレイを通してつながっていく,というコンセプトが非常にマッチしていると思うのです。
ゲームに慣れていない人に遊び方を教えたり,さっき橋を作ったように「こうすれば乗り越えられるかな?」と話し合ったりする。その中で,友人同士はもちろん,兄弟や親子がつながっていくきっかけになればと感じています。
![]() |
4Gamer:
サウンドはまだ少ししか聞けていませんが,つなげていくことが基本のレゴのゲームで,もっともクリエイティブに作り込める部分ではないでしょうか?
ルンド氏:
ええ,音楽や効果音は本当に真剣に作り込んでいます。音楽は前作と同じ作曲家が担当しているのですが,「LEGO Voyagers」は物語性があるため,友情やつながりといったテーマを意識的に表現してもらいました。
レゴのキャラクターは言葉を話さない分,音楽やサウンドによる感情表現がとても重要になりますし,それによってどこか詩的な印象も受けていただけるのではないかと思います。
![]() |
4Gamer:
ゲーム全体のプレイ時間は,どれくらいになりそうですか?
ルンド氏:
プレイスタイルによって変わると思いますが,4時間半から5時間ほどを想定しています。ゲーム中には隠し要素のようなものや,まるばつゲームのように2人で一緒に時間を過ごせる仕掛けもあるので一概には言えません。
私たちにとって,始まりと終わりのあるストーリーを作るのは初めての経験でしたので,今回はそこに集中しました。そのため,例えばサンドボックス型のフリービルドモードのようなものは想定していません。
4Gamer:
キャラクターのカスタム要素はありますか? 例えば,操作する赤と青のワンポッチの色を変えたりはできないのでしょうか?
ルンド氏:
ええ,できないんです。というのも赤と青であることに意味があるからです。その理由はゲームの終盤にわかるようになっていますので,ぜひプレイを進めて確かめていただきたいです。
「LEGO Voyagers」で私たちが体験してほしいのは,レゴブロックで何かを作り,障害を乗り越えながら友情を深めていくことです。友人であれ家族であれ,「つながっていることの重要さ」を言葉を使わずに表現しています。
オンラインプレイでは1人が購入すれば,もう1人を招待して一緒にプレイできますので,より多くの方に体験していただきたいですね。
4Gamer:
ありがとうございました。来月の発売を楽しみにしています。
4Gamer「gamescom 2025」記事一覧
「gamescom 2025」公式サイト
- 関連タイトル:
LEGO Voyagers
- 関連タイトル:
LEGO Voyagers
- 関連タイトル:
LEGO Voyagers
- 関連タイトル:
LEGO Voyagers
- 関連タイトル:
LEGO Voyagers
- この記事のURL:
キーワード
- PC:LEGO Voyagers
- PC
- アドベンチャー
- Annapurna Interactive
- PS5:LEGO Voyagers
- PS5
- Xbox Series X|S:LEGO Voyagers
- Xbox Series X|S
- Nintendo Switch:LEGO Voyagers
- Nintendo Switch
- PS4:LEGO Voyagers
- PS4
- イベント
- gamescom 2025
- ライター:奥谷海人
- インタビュー
- プレイレポート

(C)2025 Light Brick Studio. Published by Annapurna Interactive under exclusive license. LEGO and the LEGO logo are trademarks of the LEGO Group. All rights reserved.