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[インタビュー]「NINJA GAIDEN 4」Team NINJAとプラチナゲームズの共創が生むの“超忍体験”。「楽しい! でも難しすぎ!」と思わせたい
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印刷2025/08/08 06:00

インタビュー

[インタビュー]「NINJA GAIDEN 4」Team NINJAとプラチナゲームズの共創が生むの“超忍体験”。「楽しい! でも難しすぎ!」と思わせたい

 2025年7月下旬,プラチナゲームズの東京オフィスで「NINJA GAIDEN 4」PC / PS5 / Xbox Series X|S)のハンズオン(試遊)イベントが開催された。会場では,本作のプロデューサーおよびディレクターを務めるプラチナゲームズの中尾裕治氏,コーエーテクモゲームス/Team NINJAブランドの平山正和氏に合同取材を実施した。

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関連記事:[インタビュー]「NINJA GAIDEN 4」開発陣に聞く。逆境,残虐,変化――シリーズのコアな魅力をいかに2025年のゲームとして昇華させたのか


 それぞれが個性的なアクションゲームを作り続けてきた両社は,どのようにして「NINJA GAIDEN」という伝説的IPを現代に蘇らせたのか。シリーズのファンであり,開発者でもあるクリエイターが熱望していた「超忍」の復活は,いかにして成し遂げられたのか。Team NINJAとプラチナゲームズの共創の舞台裏とは。

(左から)コーエーテクモゲームス/Team NINJA 平山正和氏,プラチナゲームズ 中尾裕治氏
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目指したものは,両社の「いいところ取り」


──一緒に「NINJA GAIDEN」の復活に取り組んでみていかがでしたか。

平山正和氏(以下,平山氏):
 お互いアクションゲームを作ってきた会社として,細かい考え方の違いなどはありました。しかし,その細かい部分も綿密にやりとりできましたし,何より中尾さん自身がシリーズファンでもあるので,何かの調整をする際でも,言語化していない部分までニュアンスを感じてくださって,うまくやってこられたと思います。

中尾裕治氏(以下,中尾氏):
 私も1人のファンとしての目線がありますので,不躾ながら「NINJA GAIDENはこうあるべきじゃないですか」といったやりとりをしました。最高の続編を作る,という目的は一致していたので,ゲームをより良くするためのぶつかり合いだったと思います。

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──開発初期のプロトタイプを触れたときから,現在の状態まで。どんな風に変わったと感じますか。

平山氏:
 プラチナゲームズさんらしいダイナミックさ,ケレン味は初期から散りばめられていたんですね。初めて触れたときから,期待感はとても大きいものがありました。
 そこに,プレイヤーがキャラクターをフルコントロールしていると感じられる手触りの部分ですとか,「滅却」(手負いの敵にトドメを刺す技),「絶技」(強力な溜め攻撃),「血塊」(シリーズ作品における,倒した敵から出現する“エッセンス”に相当。絶技の成立を短縮する効果がある)などのゲーム内サイクルを,新システムも加わった中でどのように落とし込んでいくか。
 そこを丹念に磨きあげることで,両社のいいところ取りを目指していったんです。

中尾氏:
 本作はステージもバトルに紐づいたものなので,我々はまず,新システム「鵺の型」をどう生かすかを考えて作っていったんです。
 ただ,そこに集中するあまり,NINJA GAIDENらしさの一部である敵の出方や,絶妙な攻撃頻度などが薄まっていたことをご指摘いただきました。それを受け止めるだけでなく,こちらからも再度提案し,話し合いながら作っていく形でした。

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──「今,対峙している敵」だけでなく,周りに見えている敵をちらちら見なければならない感覚はしっかりありました。

中尾氏:
 付け加えるなら「どんだけ出て来るんだ!?」という感覚も大切にしています(笑)。

平山氏:
 やはり,このシリーズは理不尽なほど苛烈に感じる状況を,超忍ならではのスーパーアクションで乗り切るゲームなんです。ですから,「もっと敵を増やしたほうがいいんじゃないか」「強い敵を出したほうがいいんじゃないか」というやりとりは,もう数限りなく行いました。


「楽しい! でも難しすぎ!」と思わせたい


──シリーズのファンとして感じたのは,アクションゲームとしてだいぶメリハリが付いたことです。「2」までは「地上にいたら死ぬ」みたいな何となくの決まりごとはありつつ,遊び方の誘導は弱めで「じゃあ,がんばって絶技を決めるか」といったところがありました。
 一方,「4」では「裏風」(ガード成立と同時に移動することで大きく回り込んだり,間合いを離したりするアクション),ジャストガード,ジャスト弾きなどが強く押し出されています。

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中尾氏:
 NINJA GAIDENの良かったところ,強みはしっかり残しながら,ある程度モダナイズされた手触りで提供したい,ということですね。ジャスト裏風,ジャスト弾きとかで攻防の入れ替わりを強調し,プレイヤーが狙って差し込めるように意図して作っています。
 Team NINJAさんにも賛成していただけて,それぞれの行動のメリット,デメリットなどは,かなり細かく考えつつ構築した部分ではあります。

平山氏:
 プレイヤーが思いどおりの“超忍”になりきれることも,「4」の魅力だと思っています。状況ごとに特定の行動を強要されるのではなく,選択肢をたくさん用意した感じです。締めくくりはNINJA GAIDENらしく,滅却や絶技に行きつくのですが,その途中はある程度自由でもいい,という考え方でしょうか。

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──そうやって盛り込んでいったときに,違和感が生じた瞬間はありませんでしたか。

平山氏:
 その意味では,鵺の型が猛威を振るっていた時期がありましたね。最初の話に戻ってしまいますが,だからこそ「どういう形に落とし込んでいくか」を一緒に試行錯誤していきました。

中尾氏:
 鵺の型は元々の形が残っていないくらい,作り替えています。通常の状態といつでもスイッチできるので,強すぎるとそればかり使ってしまい,弱すぎても今までどおりの戦いだけで済まされてしまいますから。

──確かに,従来のシリーズ作品より自在に戦える感覚は増したと思います。絶妙に間に合わないことも多かった絶技が,作り出した隙を利用することで決めやすかったり。

中尾氏:
 ゲーム全体としては,戦闘のスピードや攻守の切り替えを意図的に速くしてあります。もちろん,過去作もそういうゲームではありましたが,ものすごい攻撃を受けるだけと感じてしまうと,理不尽なゲームだと思われてしまいますよね。

──実際にどうであるかと,プレイヤーの感じ方の違いの話ですね。

中尾氏:
 はい。そこを解消するために敵の数を調整したり,進むにつれて徐々に難しくしたり,明確な攻略パターンのある敵も混ぜてみたりと,バランス感覚にかなり気を使っています。ただ,かつてない脅威度のボスなども用意していますので,そこは楽しみにしていただきたいです。

平山氏:
 ゲームの難度は4種類用意しましたが,数値だけの調整だと面白くならないですし,体験の変化こそが重要だと思っていますので,高難度では敵の配置,思考パターンなども一新されます。その点に関しては,超忍の皆様もご安心ください。

──ボスのわずかな隙に短い連続技を繰り返したり,着地などでどうにかして絶技に持ち込んだり,従来の戦いも好きではありました。

平山氏:
 そのニュアンスは残しつつも,新しいシステムが加わり,技をブレイクさせるなどで攻防の切り替わりを明確にすることも可能ということです。隙を見て行動するだけでなく,能動的に隙を作るアプローチができることは「4」の長所だと思います。

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中尾氏:
 ボス戦のほかにも,「4」ではバトル内の多彩な仕組みの記号性をブラッシュアップしたかったんです。ただ,それをやりすぎても面白さが減ってしまうので,加減が難しいところではありましたが。
 なぜそうしたかといえば,僕はこのシリーズが大好きで,この面白さをもっと多くの人に,そして現代のゲーマーにも伝えたいと思ったんですね。アクションが苦手な方,ほどほどに遊ぶ方にもしっかり「面白い!」と感じてもらい,同時に「ちょっと難しすぎじゃない?」とも感じてほしかった(笑)。そういう体験を目指して,今の形ができあがったんです。


リュウ・ハヤブサは性能面でも「最強の超忍」


──ここまでは主にヤクモのゲームプレイの話でしたが,もう一人の主人公,リュウ・ハヤブサはどのような体験を目指したのでしょうか。

中尾氏:
 基本的には「2」の使用感に寄せつつ,ヤクモの鵺の型に相当する,より強力な「閃華」状態を用意しました。これは彼が最強であることを示すためのものというか(笑),性能でいうと1対1の戦い,ボスとの戦いにとても向いています。
 さらに範囲攻撃まであるので万能なんですけど,使いこなすにはある程度の器用さが必要です。ヤクモの鵺の型には分かりやすい強さがある一方,リュウはより技術を要する形ですね。

分身したかのような残像を残し,縦横無尽に動くリュウ
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平山氏:
 今回のビルドでは「火炎龍」「重波弾」を使えましたが,忍法をリアルタイムで切り替えられることも「4」の大きな進化だと思います。状況に応じてマルチターゲットと貫通弾をとっさに使い分けられるのは,実に気持ちがいいですよ。

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──都市が魔界と化してしまうシチュエーションや,キャラクターのコスチュームの大胆さにはシリーズらしさを感じました。

中尾氏:
 もう,そこは語り出すといくらでも長くなってしまう部分なのですが,「やはりNINJA GAIDENはこうでありたい」という私のこだわりも入っている部分です(笑)。なんちゃって日本感だとか,コスチュームの雰囲気だとかは。
 一方で新しく入れていくもの,たとえばヤクモのデザインに関してはオリジナリティを出していったので,狙ったわけではないのですが,結果的にプラチナゲームズらしさも出ているかとは思います。

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平山氏:
 ビルの中に「おかめのお面」が浮いていたり,東京が舞台なのに夜景は大阪の雰囲気を感じさせたりと,そこはTeam NINJAからは出てきにくい発想だと感じます。

──10月の発売までに,ファンの方がゲームを遊べる機会は用意されるのでしょうか。

平山氏:
 ドイツのケルンで行われるgamescomでは試遊台を設ける予定です。直近ではそこになりますが,それ以外の場も検討しておりますので,続報をお待ちいただければと思います。

──最後に,読者にメッセージをお願いします。

平山氏:
 ファンの皆さん,宝箱はちゃんと蹴って開けます。……そこは半分冗談ですが(笑),実際にプラチナゲームズさんにお願いして変えていただいた部分だったりもします。いろいろな新システムは増えていますが,滅却や絶技,あとは血殺で気持ちよくシメる感覚にはこだわってもらいました。
 現代的な攻防をしっかり楽しめるアクションゲームにもなりましたので,今回初めて遊ぶという方にも楽しんでもらえれば幸いです。今後の情報にも,ぜひご期待ください。

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中尾氏:
 今回のインタビューの中で「NINJA GAIDENらしさ」という言葉がよく出てきましたが,ユーザーにとってもホットなワードになっていると思うんです。我々としてもそこを密に考えながら,でも10年以上ぶりの新作なので,それをいかに広い人々伝えるかを意識しました。
 ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。

──ありがとうございました。

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「NINJA GAIDEN 4」公式サイト

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