
インタビュー
「Luna Hop」は臆病なウサギがソウルの街に色を取り戻していくパズルADV。現代の若者の不安と成長が描かれる[BIC2025]
本作は,Areumdamda Media Labが開発中の3Dパズルアドベンチャーだ。美しいグラフィックスで再現されたソウルを舞台とし,実在のロケーションが約30か所登場する。2026年下半期のリリースを目指している。
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物語は,隕石が月に衝突し,ソウルの街が色を失うシーンから始まる。屋根裏部屋(韓国でオクタッパンと呼ばれる安価な住居)に住む臆病なウサギ「ルナ」は,月のかけらを集めて,街に色を取り戻していく。
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ゲームプレイは,ジャンプアクションとパズル要素を組み合わせたものだ。清渓川で岩の橋を渡ったり,光化門の前を横切ったりと,ステージごとに異なる体験が用意されている。
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会場では,Areumdamda Media Labでプロジェクトマネージャーを務めるチョン・ヘユン氏にインタビューする機会を得たので,その内容をお届けする。
現代社会で不安を抱えている方々が癒される,そんなゲーム体験を目指す
4Gamer:
よろしくお願いします。はじめに開発体制について教えてください。
チョン氏:
会社は10人体制で,「Luna Hop」の開発メンバーは6人です。ゲームがメインの会社ですが,バーチャル図書館「Wonder Library」なども手がけており,実は「Luna Hop」が初めての本格的なゲーム作品になります。
4Gamer:
このゲームのコンセプトについて教えてください。
チョン氏:
ジャンルはパズルアドベンチャーです。主人公のウサギは,社会に出ることを恐れる若者を投影したキャラクターとして設定しました。実は私たちの代表が地方出身で,ソウルへの憧れと同時に,大都市への恐れも持っていました。その複雑な感情を込めています。
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4Gamer:
街の色が変化する設定が印象的に感じられました。
チョン氏:
モノクロの街は,ソウルに対して萎縮している状態を表現しています。
しかし,実際に街を探索していくと,ソウルには美しい場所がたくさんあることに気づきます。そして,少しずつ色が戻っていく。これは,都市に馴染み,他者とコミュニケーションを取る勇気が生まれることを意味しています。
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4Gamer:
制作にあたって影響を受けた作品はありますか。
チョン氏:
thatgamecompanyの「風ノ旅ビト」や「Sky 星を紡ぐ子どもたち」から大きな影響を受けています。小さなクエストをこなして,プレイヤーが癒されるようなゲーム体験を目指しました。
4Gamer:
現在の開発状況を教えてください。
チョン氏:
約1年半前に開発を始めて,現在の完成度は約50%です。2026年下半期のリリースを目指していて,日本語版も用意する予定です。
4Gamer:
日本市場についてはどのように考えていますか。
チョン氏:
実はいま,このゲームをシリーズ化する計画をパブリッシャと話し合っています。今回はソウルが舞台ですが,将来的には東京など,世界中の都市を舞台に作品を作っていきたいです。
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4Gamer:
開発で苦労した点はありますか。
チョン氏:
美しいグラフィックスにこだわったため,最適化が大変でした。また,単純なジャンプアクションではなく,パズル要素などを取り入れているので,それぞれの調整も難しかったです。
4Gamer:
最後に,意気込みや読者に向けてメッセージをお願いします。
チョン氏:
私たちの目標は,このゲームを通じてプレイヤーの皆さんに勇気を与えることです。現代社会で不安を抱えている方々が,ルナと一緒に冒険することで癒されるような,そんなゲーム体験を提供できればと思っています。
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