ペルシア細密画風のビジュアルと200万字超の狂気のシナリオ。「スルタンのゲーム」は“残酷な主命”と“宮廷の現実”に翻弄される危険な遊戯【PR】

　2P Gamesが2025年3月31日にリリースした「スルタンのゲーム」は，インディーゲームスタジオのDouble Crossが開発したカードサバイバルRPGだ。配信中のSteamでは“圧倒的に好評”や“非常に好評”をキープ，「INDIE Live Expo Awards 2025」では年間ゲーム大賞を受賞している。


　高い評価を受けている作品だが，ゲームのタイトルやジャンルを見ただけでは，「そもそもスルタンって何？」「カードゲームか，ちょっと難しそう」と思う人のほうが多いだろう。そこで本稿では，本作の概要や魅力を紹介していこう。


　「スルタンのゲーム」の舞台となるのは，エキゾチックな褐色イケメンがたくさんいそうな砂漠の帝国だ。
　しかしその宮廷は華やかなばかりではない。邪悪な魔法使いに惑わされてしまったスルタン（王）によって，臣下であるアナタは残酷かつ理不尽な“ゲーム”への参加を命じられることになる。


　プレイヤーはまず，チャレンジを選ぶため「スルタンカード」の中から1枚を引かされる。
　カードの種類は，情事を求める「色欲のカード」，無駄遣いをさせられる「散財のカード」，危険な冒険に出る「征服のカード」，そして誰かの命を捧げる「殺戮のカード」の4種類。どのカードを引いたとしても，示された課題を7日以内に達成できなければ，待っているのは死，デス（Death）と，なかなかに大変だ。


　その後はチャレンジを達成するため，そして生き延びるために，仲間やアイテム，資金や情報，信頼などをやり繰りすることになる。

　人材やアイテムなどはすべてカードとして表現されているのだが，それらには「副作用」のようなものもあり，使う前に少しだけ考える必要も。また，とりあえずの問題を解決するか，後々に待っている問題に備えるか。「どのカードを切り，どのミッションを捨てるか」によって，その後の物語が大きく変わっていく。

「スルタンのゲーム」のオススメポイントはここ！

200万字を超える圧倒的なテキスト量と物語の分岐

　本作最大の特徴は，なんといってもそのシナリオボリュームだろう。全編で200万字を超える物語が用意されていて，プレイヤーの選択によって展開は劇的に変わってしまう。


　あるときは忠臣としてスルタンのもとで過ごせるかもしれないし，別のプレイでは，反逆者として帝国打倒を企むことになるかもしれない。同じエンディングにたどり着くまでの道筋もたくさん用意されていて，そのバリエーションも楽しめる。

　また本作は，プレイの成果に応じて「運命点」を獲得でき，これを使えば次の周回でアナタの運命をちょっとだけ良くできる。
　一度や二度の処刑もなんのその，それは来世を豊かにする（！）投資みたいなものだ。権力，愛，狂気，信仰が複雑に絡み合う宮廷ドラマを，何周もプレイしながら味わいつくそう。



ペルシア細密画と伝統美術を融合させた独自のアート

　ビジュアルは「ペルシア細密画」と伝統美術のスタイルを融合させたユニークなもの。非常に美しくもあり，ここまでの画面写真を見て惹かれた人も多いはず。


　王宮のまばゆい装飾，砂漠に沈む夕日，ロウソクの炎に浮かぶ妖しい紋章など，すべてが緻密に描き込まれている。これらはただの絵ではなく，タッチの重なりや色づかいが，登場人物の心情や運命を暗示してもいる。


　絵の中に時間の経過や心情の揺れを読み取れる“演出”があり，テキストアドベンチャーパートの没入感も高い。一見すると美しい画の背後に隠された「堕落と栄光」「信仰と背徳」といったコントラストが……まあ，観たままに感じてもらうのが一番だ。


「世界の解釈」そのものを変える選択

　普通のノベルゲームとの大きな違いは，選択が単に結果を変えるだけでなく「世界の解釈そのものを変えてしまう」こと。
　誰を信じるか，どこまで道を踏み外すかによって，同じ登場人物でもまったく違う一面を見せてくれる。ある人物を深掘りすると，別の誰かの隠された裏側が分かってくることもあり，プレイを重ねるごとに真実が浮かび上がってくる構成だ。


　どのエンディングにも後日談が用意されていて，自分の選択がこの世界や他者の人生にどのような影響を与えたのかを，しっかり見届けられる。
　ここで大切なのは正解探しではなくて，プレイヤー自身の「思い」なのだ。そんなしっかりした体験を求めている人には，たまらないゲームのはず。


　冒頭でもお伝えしたとおり，「スルタンのゲーム」は好評発売中。そのクオリティは世界のノベルゲーム好きによる折り紙付き。このキケンな遊戯に身を投じ，スルタンに翻弄される体験を，濃厚にお楽しみあれ。