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印刷2025/08/04 10:00

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「モンハンワールド」から「ワイルズ」まで,進化と挑戦の歩みをたどる。「モンスターハンター」シリーズ講演レポート[CEDEC 2025]

 2025年7月24日,開発者向けカンファレンス「CEDEC 2025」の最終日に行われた基調講演「『モンスターハンター』シリーズ 21年の継続と仕掛け」では,長年「モンスターハンター」シリーズに携わるカプコンの辻本良三氏が登壇し,貴重な企画書などと共に制作秘話が語られた。本稿はその内容をまとめたレポートの後編である。

 前編では,初代「モンスターハンター」から「モンスターハンターポータブル 2nd」までの歩みが紹介された。今回はその続きとして,「モンスターハンターポータブル 2nd G」から「モンスターハンター:ワールド」「モンスターハンターライズ」,そして最新作「モンスターハンターワイルズ」へと至るシリーズの転換点と進化を追っていく。

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 CEDEC 2025の基調講演「『モンスターハンターシリーズ』21年の継続と仕掛け」をレポートしていく。初代からMHP2まで,貴重な企画書などと共に制作秘話が語られた。モンハンファン必見だ。なお,本稿はダイジェスト版となる。

[2025/07/24 21:39]

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●基調講演「モンスターハンター」シリーズ 21年の継続と仕掛け 登壇者
・辻本良三氏(カプコン 取締役 専務執行役員 CS第二開発統括「モンスターハンター」シリーズ プロデューサー)


「モンスターハンターポータブル 2nd G」


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 「モンスターハンターポータブル 2nd」のヒットを受けて,急きょ開発が決定した本作。すでに開発が進んでいた「モンスターハンター3」のスタッフも投入され,実質の制作期間9か月で仕上げたというから,じつにパワフルかつスピーディーだ。

 本作について,辻本氏は「モンハンブームの到来」であると定義する。一人でも疑似マルチプレイを楽しめるサポートキャラクター「オトモアイルー」の登場,そして「一狩り行こうぜ」のコピーが登場したのも本作だ。

 このフレーズは,広告代理店のコンペで提出されたもので,「その後すぐにプロモーションの方向性が決まった」という。「モンスターハンター」のプレイスタイルを端的に説明し,体験できる楽しさが凝縮された感のあるコピーであり,このフレーズがあったからこそ,友だちを誘いやすくなった,気軽に集まれるようになったという人も多いのではないだろうか。

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「モンスターハンター3」


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 狩りを強化する要素として,水中戦モンスター同士の関係性の描写といったアイデアが考案された。

 水中戦には,「プレイヤーからの要望に応えたもの」「立体的なアクションを導入するための第一歩」という,2つの側面がある。
 「モンスターハンター」の「森と丘」では,「アプトノス」が川を渡るが,それを見たプレイヤーから,「自分たちも川に入りたい」という希望が寄せられたという。

 また,シリーズとして将来的に立体的なアクションを導入したいという構想があったものの,いきなり地上で実装するのはリスクが高いため,まずは水中戦で挑戦することになった。開発の難度は高く,遊びとして成立しない場合には,水中戦そのものをオミットして発売することも視野に入れていたという。

 この作品では,「スラッシュアックス」が初登場し,同時に一部の武器種が削除された。プレイヤーの期待に応えられなかったことを受けて,以降は武器種を減らさない方針へとシフトしたとのこと。

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「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村」


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 獣人種「アイルー」となって村を発展させるという内容で,アクションをあまりプレイしない女性プレイヤーを主なターゲットとしている。プレイヤーのゲーム離れや,そもそもゲームという娯楽に対して抵抗を感じている層がいることから,そうした人々にも手に取ってもらえる作品として企画されたという。

 同作には占いの機能が存在するが,占い師のゲッターズ飯田氏が手掛けているため,「的中する」と評判を呼んだ。この占い機能は,現在起動しても楽しめるとのことだ。



「モンスターハンターポータブル 3rd」


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 新モンスター「ジンオウガ」が人気投票でトップを獲得するなど,人気の高いタイトルだ。男女問わず幅広いプレイヤー層を獲得するため,「カッコいい」と「カワイイ」デザインを揃えたほか,長野 渋温泉とのコラボや,積極的なアパレル展開も行われている。

 誰かを誘うにしても,タイトルを聞いたことがないゲームでは話が続かないだろう……ということで,生活導線のなかに「モンスターハンター」を取り入れることが,キーワードになったという。

 なお,長野 渋温泉とのコラボでは,温泉街にゲームができる「集会所」も設けられた。ここで作られたコミュニティのなかには,現在まで続いているものもあるという。

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「モンスターハンター3G」


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 「モンスターハンター4」の開発が難航したことから,シリーズとして初めて外部協力会社のエイティングと共同開発を行い,「モンスターハンター3」に1体ほど新モンスターを追加した移植版として開発が始められた。

 しかし,エイティングの熱意もあって,G級クエストや新システム,新拠点,新モンスターが追加され,「モンスターハンター3」で削除されていた武器種が復活するなど,新作に相当する内容となった。

 こうした充実を受け,当初は「モンスターハンター3D WORLD」だったタイトルも,「モンスターハンターG」と同様に“G”を付けた「モンスターハンター3G」へと急きょ変更された。これは,発表のわずか1か月前のことであり,販売戦略の見直しも迫られることになったという。

 結果として,当初の計画を上回る260万本の売り上げを記録している。

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「モンスターハンター4」


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 高低差のある立体的なフィールドで,ジャンプ攻撃が可能になった。「モンスターハンター3」から取り組まれてきた立体的なアクションの構想が,ここで結実した形だ。
 また,「操虫棍」「チャージアックス」が初登場し,これによりシリーズの14武器種が勢ぞろいすることとなった。

 講演では,新たなフィールドのイメージを共有するために制作されたコンセプト映像も公開されている。内容は,「ティガレックス」に追われたハンターが坂を下り,岩を登るなどして高低差のあるフィールドを逃げ回るが,その先には「リオレウス」が待ち構えていて……という展開だ。

 ファンならピンときたかもしれないが,これは「Nintendo 3DS Conference 2011」のラストで「モンスターハンター3G」が発表された直後に公開されたものと同じ映像のようだ。この映像を見て度肝を抜かれた人も多かったと思うが,プロモーション用に作られた映像では“ない”というのが興味深いところである。

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「モンスターハンター4G」


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 「モンスターハンター4」に,さらなるやり込み要素を加えたタイトルであり,本格的な海外展開にも挑戦している。海外イベントへの積極的な参加など,国外市場への意識がいっそう高まった作品であるという。



「モンスターハンタークロス」


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 当初は他部署で開発されていたものを,急きょコンシューマ向けに切り替えたという,やや特殊な経緯を持つ作品だ。「フェスティバル感」「新規と懐かしさの融合」をテーマに,過去作の拠点やモンスターが再登場するなど,盛りだくさんの内容となっている。

 個性的な「スタイル」と「狩技」を組み合わせる遊びも,当初から構想されていた。企画書の時点では,従来型の「ギルド狩猟スタイル」,複数の必殺技を使う「スパコン狩猟スタイル」,変幻自在に動く「ミラージュ狩猟スタイル」,空中から攻撃する「エリアル狩猟スタイル」といった名称が挙げられていた。

 なお,初代「モンスターハンター」の企画書には,「スピード型」「ノーマル」「パワー型」といった特性が異なるキャラクターを選択する方式が提案されていた。個人的には,こうしたアイデアが時間を経て変化し,本作の要素につながっていったようにも感じられる。

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「モンスターハンター ストーリーズ」


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 シリーズ初のRPG作品だ。アクションゲームが苦手な人でも楽しめる「モンスターハンター」を作りたいという構想は以前からあったものの,開発スタッフが確保できず,なかなかプロジェクトが立ち上がらなかった。実際に発売されるまでには,8年もの歳月を要したという。

 モンスターをもっと身近に感じてほしいという思いから,主人公はハンターではなく「ライダー」に設定された。今では,シリーズ累計300万本を超えるタイトルとなっている。

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「モンスターハンターダブルクロス」


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 「モンスターハンタークロス」から引き継いだ,お祭り感と多彩なプレイスタイルという方向性をさらに推し進め,500万本を超える売り上げを記録した。
 本作が発売された2017年には,北米の「コミコン」にも出展し,コミュニティの形成にも力を入れている。

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「モンスターハンター:ワールド」


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 初代作からのコンセプトをそのままに,「最高品質のモンハンを作る」という方針のもとで進化を志向した。AAAタイトルとしての「モンスターハンター」を目指すため,世界同時発売や多言語対応,国内外のファンへの訴求などが開発テーマとなった。

 シリーズの“当たり前”を見直すべく,北米を対象としたフォーカステストも行われている。たとえば,「回復薬を飲んだ際にガッツポーズをして動きが止まる」という伝統的な演出は,アクションの流れが途切れるという声を受けて削除された。

 また,アクションゲームとして成功・失敗の実感が得づらいという意見を踏まえ,「与えたダメージが数値として表示される」仕様も導入された。

 体制の見直しはプロモーション面にもおよび,これまでは地域ごとにばらばらに展開していた情報発信が,本作からは全世界同時となった。開発スタッフ自らが海外に赴いてプレイヤーの反応を観察し,各地には5人のコミュニティマネージャーが配置された(なお,「モンスターハンターワイルズ」では9人に増員されたという)。

 タイトルからはナンバリングも廃されている。これは,海外で初めてシリーズに触れる人が,数字の大きさに気後れしないようにという配慮によるものだ。
 結果として,2850万本を超える大ヒットを記録した。

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「モンスターハンターワールド:アイスボーン」


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 これまでの「モンスターハンターG」などのタイトルは,単体で動作する製品として販売されていたが,本作では「モンスターハンター:ワールド」本体を必要とするエクスパンション形式でリリースされた。

 また,追加される高難度クエストの区分は「マスターランク」と名付けられた。これは,従来使用されていた「G級」という呼称が,海外プレイヤーに言葉として通じにくかったことによるという。

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「モンスターハンターライズ」


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 空中でのジャンプや静止が可能な「翔蟲」,ハンターとともに戦い,背に乗せてくれる「オトモガルク」といった新要素が登場している。「モンスターハンター3」から追求されてきた立体的アクションが,結実したタイトルといえるだろう。

 本作では,ロードを挟むことなくシームレスにフィールドを自由に駆け巡れるが,当初は従来どおりのエリア切り替え式で進められていたという。「モンスターハンター:ワールド」のシームレスマップを受け,開発途中で方向転換が行われたそうだ。

 辻本氏も「いろいろと捨てなければならないものがあり,作業量も増えたが,やって良かった」と評価している。フィールドには,能力を上げてくれる「ヒトダマドリ」,罠として使える「環境生物」,そしてバックストーリーの一端を示す「先人の遺物」などが点在しており,翔蟲を駆使して探索を楽しんだプレイヤーも多かったことだろう。

 途中からの大きな方向転換にもかかわらず高い完成度を実現したあたりに,カプコンの底力が感じられる。

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「モンスターハンターライズ:サンブレイク」


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 翌年には,拡張コンテンツとなる「モンスターハンターライズ:サンブレイク」が発売されている。携帯機であるNintendo Switchで遊べる「モンスターハンター」として,本作は過去作のプレイヤーを再び取り込むことにも貢献したという。



「モンスターハンターワイルズ」


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 「ワイルズ」の名のとおり,野性的で荒々しい生態系がテーマとなっている。目玉の一つである「群れ」についても,これまでと同様にテスト映像が制作された。こちらは残念ながら撮影不可だったが,アプトノスの群れにラージャンの群れが襲いかかるシーンは,迫力のあるものだった。

 本作には,ハンターを乗せる新要素「セクレト」が登場している。辻本氏によれば,セクレトは移動に特化し,オトモガルクは狩猟のサポートに特化しており,それぞれゲーム内での役割が異なるという。

 なお,本作は先日の報道にもあったとおり,シリーズ最速で1000万本を超えている。「タイトルアップデートで運営を続けている作品である」と,辻本氏は語った。

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 最後に辻本氏は,初代作からのチャレンジを忘れることなく,これからも進化と挑戦を続けていきたい,と意気込みをあらわにした。

 気の合う仲間と力を合わせ,巨大なモンスターを狩猟する。個性の塊のような「モンスターハンター」だが,今回の基調講演では,かなり早い段階から海外プレイヤーや若年層の取り込みを意識していたことが,あらためて確認できた。

 「モンスターハンターポータブル」におけるレバー攻撃の廃止,社会現象となった「モンスターハンターポータブル 2nd G」,立体的なアクションに挑戦した「モンスターハンター3」,AAAを志向した「モンスターハンター:ワールド」,立体アクションの進化が見られた「モンスターハンターライズ」,そして生態系描写に注力した「モンスターハンターワイルズ」など,シリーズの歴史は,まさに変化の歴史であると感じられた。

 今後もプレイヤーを驚かせ,楽しませる,カプコンらしい大胆な変化と進化を期待したい。

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