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すべての「たまごっち」を納得させる究極のご飯を炊きたい。俺のコラボカフェ:Menu 079
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4Gamerをご覧の皆様こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。さまざまなゲームに出てくる料理をプロの料理人が本気で作ったり,プロ目線で勝手に検証して発表したりする「俺のコラボカフェ」,今回もよろしくお願いします。
今回は「たまごっち」について語ってみます。初代たまごっちは,1996年に発売されたデジタル玩具で,大流行して社会現象となりました。私も地元のおもちゃ屋さんで,抱き合わせ販売でようやく手に入れたのを覚えています。
ごはんをあげたり,うんちを掃除したり,育て方によってどう進化するのかが変わるというシステムは,当時としては画期的でした。しかも初期のモデルは,10分に1回くらいのペースでお世話コールが鳴るので,なかなか大変。それでもなぜか夢中になってしまう,不思議な魅力がありました。見た目もかわいらしく,アクセサリー感覚で身につけていた女子高生も多かった印象です。
初代の大ヒット後,ブームは落ち着きますが,その間も進化を続けていました。カラー液晶,赤外線通信,カメラ機能,ミニゲーム要素など,時代ごとの流行を取り入れながら「もっとたまごっちと一緒に遊べる」方向へ拡張。「たまごっちプラス」「たまごっちiD」ではカスタマイズや通信機能が充実し,再び人気が上昇します。
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近年ではスマートウォッチ型の「たまごっちスマート」や,復刻デザインの「たまごっちUni」が登場。Bluetoothでスマホと連動し,世界中のプレイヤーと交流できるなど,令和の育成ゲームとしても存在感を発揮しています。
そして最新作「Tamagotchi Paradise」では,育成だけでなく食材採集や料理,交流イベントなどの生活要素が大幅に強化されました。さらに「ズーム」という新機能により,与える食べ物によってたまごっちの細胞が変化するのを確認し,進化ルートが分岐するという,これまでにない育成の奥深さが加わりました。
シリーズ初期のエサは“ごはん”と“ケーキ”だけでしたが,おにぎりやハンバーガー,パスタ,スイーツ,さらには高級料理まで登場。「たまごっちスマート」ではフードデリバリー機能で多彩な料理を注文でき,「パラダイス」では料理システムそのものがゲームの醍醐味になっています。
しかし,食の多様化が進むにつれ,成長したたまごっちが「ただのごはん」を食べてくれないことも。まるで人類が味覚を贅沢に進化させてきたような現象で,これはこれで面白いのですが,料理人としては黙っていられません。
「食べたくない」なんて言わせない。誰もが黙って箸を伸ばす究極の“ごはん”を炊いてみせる。たまごっちの胃袋を掴む戦い,ここに開幕です。というわけで,徹底的にこだわってご飯を炊いてみましょう。
■材料(3〜4人分)
魚沼産コシヒカリ 300g
魚沼の天然水 2L
羽釜
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実食
さすが,日本一と名高い新潟県魚沼産のコシヒカリ。すべてにこだわり炊き上げたごはんは,艶,粒立ち,香り,すべてが別格です。甘みとうま味が口いっぱいに広がり,ご飯だけでおかずになるレベル。ふりかけやカレーをかけるのがもったいないほどの完成度です。
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これなら,成長した「たまごっち」も喜んで食べてくれるはず。ゲームをきっかけに,改めて“ごはん”そのものの価値と,食育の大切さを感じました。
今回のテーマはいかがでしたでしょうか? 面白いと思ったり,実際に試したりした人は「#俺のコラボカフェ」「#COCOCORO」といったハッシュタグをつけてSNSに投稿してくれると嬉しいです。
それでは,またお会いしましょう。したっけ!
■■大西哲也(クッキングエンターテイナー)■■
あるときは料理研究家,またあるときは「COCOCOROチャンネル」のYouTuber,しかしてその実体は……料理を通じて多くの人を喜ばせたいクッキングエンターテイナーだ! 今回使用した羽釜は,新潟・ウルシヤマ金属工業の「釜炊き三昧」。重厚なステンレス製ボディと蓋が生み出す高い熱伝導率と圧力,そして熱を最大限に伝える「かまど」構造が特徴です。究極の炊飯を追求する中で辿り着いた,最強の炊飯鍋です(PR案件ではありません)。
※次回の掲載は2025年9月27日を予定しています
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