男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ：第841回「大人だって，全然大人じゃない」

著者近影

　ついにNintendo Switch 2が発売されました！　まあ，私のゲイムライフには何の影響もありませんけどね……。
　無い袖は振れないというか，持っていない手に入っていないハードについて語っても恨み節しか出てこないので，この話は置いておきます。

　Switch2の代わりってわけでは決してないのですが，「ファンタジーライフｉ グルグルの竜と時をぬすむ少女」（PC / Switch2 / PS5 / Xbox Series X|S / Switch / PS4）を始めました。レベルファイブの作品に触れるのは，なんだか久しぶりな気がします。
　私はレベルファイブ作品がとても好きなんですが，それは童心に返るテーマや展開でゲイムを構築するからです。
　今の子供に伝えたい。大人って君たちが思ってるほど，大人じゃないんだよってことを。


　私が子供のころ，大人は完璧な存在なんだと思ってました。大人の言うことは正しい，そう刷り込まれていました。
　でも，48歳になって思います。大人だって，全然大人じゃない。正確に言えば，大人になっている部分もあります。でも，いくつになっても子供心ってものは，心の片隅に残っていて，たまにその部分が顔を出す時があるんですよ。
　大人になってもズルい奴はいっぱいいるし，しょうもないことでマウントを取ってくるヤツもいます。子供には「いじめは良くない」って言うんだけど，大人の世界にもいじめはあるからね。「いじめは子供も大人も良くない」が正しい。

　子供のころの問題が，大人になっても解決できていないってことはままあります。
　つまり何が言いたいかというと，大人だって子供と同じ人間なんだってこと。子供とは違って，選挙権があるだけ。だから，好きなものは好きだと言っていいです。
　「幼稚だと思われたくない」って気持ち，子供心にあると思うんです。大人から言わせるとね，好きなものに関して他人の目なんて気にしなくていいんだよ。
　気にしなきゃいけないのは，他人に迷惑をかけてしまうかどうか。ま，それでも完全に迷惑をかけないことって，無かったりするんだけどね。


　まあいいや。ともかく，大人だって童心に返ることがあって，それは大人から見ても心地いい時間なわけですよ。それをレベルファイブ作品は，ゲイムとして提供してくれてる。だから私はレベルファイブ作品が好きなんです。

　で，本作ですよ。「ファンタジーライフ」もプレイしているはずなんですけど，今となっては正直そこまで覚えていません。ファンタジーライフといえば，ゲイム内のライフ（職業）を決め，その生活を自由に楽しむといったゲイムでした。
　今作もそうなのですが，心なしかどの職業を選んでもナビゲイトがしっかりしているので，スムーズに選んだ職業生活を楽しめる気がします。逆に言えば，お使い要素が多くて，そこをどう捉えるかって面もあるにはあるのですが。
　私としては，次に何をすればいいのかが分かりやすいので，迷うことはありませんでした。そういう意味ではレベルファイブ作品らしく，分かりやすい丁寧なゲイムだなとは感じました。


　もちろん，童心に返る要素もふんだんに盛り込まれています。私が子供のころなんて，将来何になるかに対してリアリティが無かったんですよね。一応，子供らしく「プロ野球選手になりたい！」って文集に書いた時期もありましたが，ぶっちゃけ本音ではなかったです。
　本音は「職業と言われてもピンと来ない」ですが，なんだか「無い」って書いたら怒られそうな気がして，これなら当たり障りないだろって職業を書いたわけです。今思えば，サッカーやってたのに「夢はプロ野球選手」って書くあたり，そもそもチグハグだったわけですが。

　でも，このゲイムにはいろんな職業が用意されているわけですよ。しかも，どの職業も楽しそうに描かれている。これ，とても大事だと思います。
　どの職業にもツラい面があります。もちろん楽しい面もあるんですが，現実としてツラい局面のほうが多い。だけど子供には憧れてもらわなきゃ，その業界が廃れてしまいますからね。
　そういう意味で，職業の喜びだったり楽しみだったり，どう人々の役に立っているかがゲイム化されてるのはとてもいいことだと思うんです。


　いろんな職業に対して，まずは想像するってことが子供にとって大切なのかな，と私は思ったりします。そして，それは大人も同じ。
　もちろん，多くの大人が労働のツラさは知っています。だけど，給料であったり，自分の仕事に対して喜んでくれる人がいたりするっていう，ほんの少しの楽しさや充実感も知っているわけです。
　だからこそ，ゲイムで自分の知らない職業の楽しみを想像できる面もある。

　そう，このゲイム，実は大人も子供も関係無いんです。なぜなら，子供には子供なりの，大人には大人なりの仕事に対する喜びが詰まっているから。
　今作はデフォルメされているけど，あなたの働きは大なり小なり世界に影響を与えてるんです。仕事において，あなたの代わりはいる。だけど，あなた自身に代わりはいない。
　そういった大切なことを，ファンタジーライフｉは教えてくれた気がします。いや，まだ序盤だけどね。


　根本的に楽しいですよ。この世界で生きてくことが楽しい。やっぱレベルファイブ作品が好きだなあ，私。
　今週はそんな感じです。明日も現実の仕事，頑張ります。誰かが喜んでくれると信じて。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5：「Winning Post 10 2025」
Nintendo Switch：「ファンタジーライフｉ グルグルの竜と時をぬすむ少女」
iOS：「ロードモバイル」
iOS：「ウイニングイレブン カードコレクション」

■■男色ディーノ（プロレスラー）■■ ディーノ選手が所属するDDTプロレスは，6月15日（日）13：00より新潟・新潟市東区プラザ大会「越後パワースラム」を開催します。ディーノ選手は彰人選手とのタッグで，HARASHIMA選手＆平田一喜選手と対戦予定です。ディーノ選手は「せっかく新潟に行くからには美味しいお米を買って帰りたい。亀田製菓が新潟限定で販売しているサラダホープを買う。最近，サラダホープが好きだって気付いたので」と，夢を語ってくれました。